諸行無常
2011年10月02日
今年のイチローのシーズンが終わりました。安打数184本、11年連続200本安打を達成する事ができませんでした。正直私はこんなに早く終わりが来るとは思ってもいませんでした。最低でも15年連続位やってくれるんじゃないかと思っていたのですが・・・
原因はというと諸説あるようです。しかしそれもひっくるめて私は「諸行無常」を感じずに入られないのです。平家物語の冒頭に出てくる「諸行無常」とは「この世のあらゆるものは移ろい行く」という意味です。若い時には何も感じず流していた言葉が今頃になると重い言葉に感じるのは年のせいでしょうか。
野球という競技も、その中で活躍している選手も、常に変化を繰り返していて昨日の肉体と同一の肉体等存在しないのです。どんなに摂生をしていても最高のコンディションを維持し続ける事は不可能です。好調不調を繰り返します。そしてそこに老いという絶対に回避できない事実が迫ってくるのです。メジャーのシーズン安打記録を更新した瞬間の輝きはもう二度と来ないと思うと寂しくなりますね。しかしそれが現実です。
野球でもう一人注目している選手がいます。現楽天イーグルスの岩村明憲選手です。ヤクルトで打率3割、本塁打30本、打率100打点を達成し、メジャーに渡り当初2年間は期待通りの活躍を見せました。所がシーズン中の怪我がきっかけとなったのでしょうか、極度の打撃不振に陥りメジャーを解雇され日本球団に戻ってきました。しかし、日本での成績も振るわず打率1割台、一体彼の中で何があったのでしょうか。
あれだけ活躍し、輝いていた選手が突然何かのきっかけで極度の不調になってしまいそこから抜け出せなくなってしまう。「心技体」といいますが微妙なバランスが狂うと選手生命の危機にまで陥ってしまうのです。彼のモットーである「何苦礎」魂(何事も苦労が自分の基礎となる)で是非もう一度輝いてほしいと切に願っています。
監督業で言えば落合監督が契約期間満了により今年で退任になります。優勝争いを繰り広げているチームの監督を退任させるわけですからプロ野球界だけではなく衝撃が走りました。私にはその是非は分かりません。しかし、プロ野球の監督というのはただ強ければ良いという時代ではないのでしょうね。私の父は、仕事から帰ってくると必ず野球放送を見ていました。「巨人、大鵬、卵焼き」といった時代から大きく変化してきた現在、プロ野球に求められるものも大きく変化しているのでしょう。
色々な意味で重い言葉です。
「諸行無常」