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気ままに更新する
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プリンセススクゥエアー
代表取締役 出口博俊

他山の石

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2011年05月12日

 ゴールデンウィークが終了しました。休み期間中に大変な事件が起こりました。焼肉食中毒事件です。焼肉チェーン店で出されたユッケを食べて死者が出ると惨事が起こりました。第一報を聞いたとき2000年に起こった牛乳食中毒事件を思い出しました。あの時は規模が大きく大騒ぎとなりましたが確かあの時死者は出なかったはずです。今回は死者が4人出たのですからその衝撃は大変大きいものです。そういえば今年の一月にも東京ドームシティーでアトラクションの安全バーがロックされなかった事が原因で死亡事故が発生しましたね。職種は違いますが会社を経営する立場の人間として胸が痛いです。経営者の管理不足で、その企業を取り巻くステークホルダー全員を苦しめる事になるのですから。
 
 ハインリッヒの法則というのがあります。労働災害の発生確率を分析したもので1つの重大な事故の裏には29の軽微な事故があり、その裏には事故ではないが事故になりかけた300のヒヤッとした体験があるというものです。前述した事故も全てこのいくつもの「軽微な事故」「事故ではないがヒヤッとした経験」が必ずあったはずです。そこで何故食い止める事ができなかったのか・・・悔やんでも悔やみきれないです。

 この休み中「永遠のゼロ」という小説を読みました。物語は終戦直前、特攻隊員として亡くなった主人公の祖父の生前の消息を当時の戦友の話を通じて調べていく内、特攻隊員がどのような心境で特攻を志願したのかが書かれています。また特攻隊を企画した幹部がいかに自国の兵隊の命を軽視していたかも書かれていました。この本は涙なしには読めません。本の中で特攻隊員とイスラム教原理主義のテロリストを対比する場面がありますが
特攻隊員は決して狂信者ではなく、命を喜んで投げ出したのではありません。遺書には「喜んで日本のために散っていきます。」と書いていてもそれはいずれこの遺書を手にする両親や家族たちをおもんばかっての表現であり実際には言葉では言い表せない心の葛藤があったのだろうと思うと胸が締め付けられます。それはそうですよね。特攻隊で死んでいった息子が辛い思いをしながら死んでいったんだと思うと残された家族も苦しむ事になりますからね。
 
 いくつかの話をしましたが、いずれにしてもリーダーの責任は重大です。リーダーがどこを見ているのかで組織の方向が決まります。安全性を考えなかったわけではなくともリーダーがそれより別のものを優先していると部下が解釈してしまうと、その組織はいつの間にか安全性を無視する組織になるのです。東電の原発問題も然りですね。トップが安全性の問題を考えなかったわけではないのでしょうがトップが本気で安全管理を強化しようとしているように思えなかったら部下は動きませんからね。
他山の石としなくてはなりません。

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