ワールドカップ
2010年06月20日
4年に一度のサッカーワールドカップ。盛り上がりますね。
オリンピックにしてもWBCにしても、やはり国を背負って開催されるスポーツは国家への帰属意識が強く意識されるせいか、ついつい応援にも力が入ります。
しかし、今回の岡田ジャパン、本当に天国と地獄ですね。ワールドカップ前の前哨戦、親善試合に4連敗したときのマスコミやファンのバッシングは半端なものではありませんでした。本当にボロクソでした。韓国戦に敗れたとき、岡田監督がサッカー協会の会長に「(監督を)続けていいのですか?」と聞いたことを取り上げて「リーダーとしてあるまじき言動だ」と集中攻撃していました。
それがどうですか。ワールドカップの緒戦でカメルーンに勝ったとたん、いきなり英雄ですからね。本当に大衆が作り出す風評というのでしょうか、世論は怪物ですね。人を簡単に祭り上げたり、蹴落としたり平気でします。しかもその事に加害者意識を持っていない事がなお怖い。
私が学生時代、大学野球の応援に行った時の話です。試合終了後、負けた大学の応援団が「今日試合に負けたのは俺たちの応援の仕方が悪かったからだ!!気合が足りない!」と叫び精神を鍛えると称して球場の周りをうさぎ跳びしていました。
その時は「なんと前時代的な」と思いましたがあれから30年近く過ぎた今、その意味がやっと理解できるようになりました。
応援に行って負けたら選手が悪いだの監督が悪いだの文句を言いますがならば自分が出ればいいのです。自分自身が野球部に入りレギュラーの座を射止めればプレイできるわけですから。しかしそれは出来ない。だから勝てる人間を選抜して大学の代表として送り出しているんです。送り出した人間が出来る事、それは応援くらいしかありません。だから真剣に応援しろと。負けたらそれは応援の仕方が悪かったからだと。実に筋が通っています。
ワールドカップでもそうです。我々は何をしましたか?ただテレビの前でビール飲みながら観戦しているだけではありませんか。(これは私に限った事です。もっと真剣に応援している人たちがいる事はよく理解しております。)
それであの采配はどうの、あの選手のプレイはどうのと、本当におこがましい限りです。監督や選手たちは想像を絶する大変なプレッシャーの中それぞれの十字架を背負いながら戦っているのです。前回のWBCの時、予選からの打撃不振であのイチローでさえプレッシャーで血を吐いていたと聞きました。そのような精神状況の中で戦っている選手にしてあげられる事、それは応援と祈りしかありません。
出来る事なら日本人選手一人ひとりが持っている能力を遺憾なく発揮できる環境を作り出してもらえるようにとよろずの神に祈りましょう。
今回のカメルーン戦は人を裁く事の愚かさを教わった気分です。勉強になります。