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プリンセススクゥエアー
代表取締役 出口博俊

我慢する事

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2010年03月05日

 最近特に感じる事ですが、辛抱する事ができない社会人が多くなりましたね。先日終了したオリンピック選手のレベルを求めるつもりはありませんが、克己心と言うのでしょうか自分の欲望に打ち勝つ力が衰えているように感じます。これはやはり子供に我慢をするということを教えてこなかった親の責任なんでしょうね。「孟母三遷」と言う故事があります。親は子供の教育に必要な環境を与えるために努力をするという意味で捉えられていますが、この環境の意味を取り違えるとおかしなことになります。たとえば借金をして子供を私学に行かせている親がいます。その事自体悪い事だとは思いません。しかしそこに親の子供に対する志があるのかが大切です。「孟母断機」の教えにあるように孟子の母親は我慢する事の重要さも教えており、決して環境だけを気にしていたわけではありません。
 先日、タクシーの乗車していた時その運転手さんの印象的な話を伺いました。その運転手さんは、7年前事業に失敗して破産を余儀なくされたと言う事でした。お子さんが3人、家は他人の手に渡り2Kのアパート暮らしになりました。そして奥さんもパートに出、子供たちもアルバイトで家計を助けてくれました。しかし、3人の子供たちの授業料を払う事は難しく夫婦で途方にくれていた時、長女が大学を辞めるといってきました。そのときの長女のセリフが良いんです。「私にはたいした夢が無いけど弟たちには夢がある。その弟の夢をかなえてあげるためには私が大学を辞めて働いて弟たちの学費を稼ぐ。」弟たちの夢が何だったのかは聞きませんでしたが、一番下のお子さんが来年大学を卒業すると言う事でした。その運転手さんが「子供たちに苦労をかけた」と言っていましたが、果たしてそうでしょうか。
 私はこの世の中は、何かを得ようとすれば何かを犠牲にしなければならないと思います。人でも物でも時間でも何かの犠牲があって始めて何かを得た喜びを手に入れる事ができるのです。自分は何の犠牲も払わず楽しい事だけしかしていない人間に真の喜びなど手に入るはずがありません。先ほどの運転手さんはどういう理由であれ子供たちにそれを教えたのだと思います。長女には為に生きる喜びを、弟たちにはそういう姉を持った事に対する感謝の気持ちを。正に聖書の言うところの「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。 だが、死ねば多くの実を結ぶ。」です。
 そして自分がいかに多くのものの犠牲の上で生活をしているのかを教える事が教育の原点なんではないでしょうか。

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