販促活動
2010年01月30日
最近、「売却応援キャンペーン」などと称して、売却の依頼をしたら(専任媒介契約や専属専任媒介契約を締結後)金一封を出すと言う不動産仲介会社の広告が目に付きます。売却の委任がほしい不動産業者が売主さん確保のための苦肉の策なんでしょうがこれはどう考えてもおかしい話だと思いませんか。売主さんが求めているのは「出来る営業マン」の筈ですよね。だって都内のマンションであれば数千万はします。これを売却するのに必要な営業マンとはフットワークであったり、交渉をスムーズに進めるテクニックであったり、何といっても熱意のある人間であったりと、必要な資質があるはずです。売主さんは本来そういうことに注意を払わなければならないのに不動産業者が金一封払うから売らせてくださいとはなんともおかしい話ですよね。
「朝三暮四」と言う故事があります。この話は昔、非常にサルと戯れるのが好きな男がいました。サルをとても可愛がるものだから、えさの時間になるといつもサルがよってきます。ところがそれが原因である日、奥さんに「サルのえさを減らしてくれないと、子供たちの食べるものまでなくなってしまいます」と懇願されます。困った男はサルたちを篭絡しようとし、一斉に呼びかけました。これからは「朝には木の実を三つ、晩には四つしかやれない」と告げるも、サルたちはみな不満顔な顔をします。それならば「朝は四つ、晩には三つならどうだ」と言うと、合計七つと変わらないにも拘らずサルは皆、納得してしまいました。そこから「朝三暮四」とは言葉巧みに言いくるめてだます事、サルの立場から物事の根本問題に気づかず、目先のことを考える愚かさを指す言葉です。
専任媒介や専属専任媒介契約を結ぶとある一定期間その不動産業者以外に売却を依頼する事ができなくなります。高々、数万円のお礼を目当てに使えない営業マンなどに媒介を出したらそれこそ何百万円、場合によっては数千万円もの損害を被ってしまいます。こういう販促活動に引っかからないようにしてください。大切な事は、看板でも、キャンペーンでもなく、営業マンの資質ですから。
因みに皆さん大手家電量販店にはポイントカードなるものがありますね。購入金額の何パーセントかが貯まり次回の購入の際にそのポイントが使えるというものですが、ポイントの貯まっているカードを提示するとどこの店員も必ず「ポイントをお貯めしますか」と言いますよね。「ポイントをお使いになりますか」とは言いませんよね。あれは社員教育なんでしょうか。ポイントなど貯めても利息は付きません。紛失したら再発行してくれません。(多分?)すぐ使ってしまうほうが良いに決まっているんですが「お貯めしますか?」と言われるとついつい「はい」と言ってしまう人が多いような気がします。勇気を持って応答しましょう。「使います。全部」