目的を明確に
2009年12月12日
いよいよ今年も後20日を切って来ました。この時期は例年不動産取引が活発になる時期です。税法上の特例が12月末で変更になるケースがあり駆け込みで売ったり買ったりされる方が多いためです。年末の思い出として私が営業マンだった頃、20年以上前ですが当時は一定以上の土地の売買契約を締結する場合、契約の前に国土法による届出が必要でその売買金額が妥当であるかどうか自治体に審査してもらいその売買に関し不勧告通知をもらわないと事実上売買が出来ない時代がありました。今から考えたらありえない話ですよね。民間の取引を自治体が監視するわけですから。当時は不動産が急騰していた時代でしたからその急騰を阻止するために採られた政策だったのですが、その政策がかえって不動産の値上がりに拍車をかけてしまったのですが・・・それはともかく、この審査に3,4週間かかります。ですから、年内に売買を成立させるためにはどんなに遅くとも12月初旬に届出を出さなければなりませんでした。それがまた不足書類などがあって届出が遅れたりすると年内に通知が来ないのではないかと心配する日々が続き、通知が来なかった場合どうするのかと言う事を売主、買主と喧々諤々の議論をした事を思い出します。そして何とか契約にこぎつけて年明けを迎えると緊張感が切れるせいか決まって高熱を出していました。(カッコをつけてしまいました。これは不摂生のせいです)
こういうエピソードは現在とは隔世の感がありますが、変わらないところは年末に売買が活発になる事でしょう。ある意味、この時期は不動産を買うにしても売るにしてもチャンスなのではないでしょうか。それにつけてもいつも気をつけて頂きたいことがあります。過去何度もこの話をするのですが「何のために買うのか」「何のために売るのか」を明確に意識してほしいのです。この芯の部分がずれると結果として目的を達する事が出来なくなります。そしてそういう人をたくさん見てきました。「何のために買うか」がいつの間にか「いくらで買うか」になってしまって値段に固執してしまう人がいかに多い事か。不動産の売買を仕事としてやっているのなら別です。しかし、殆どの人は不動産の購入は、自分の生活の拠点作りなのです。たとえば、分譲マンション一部屋を取ってみても同じ条件の部屋は世界に一つしかありません。一つ上の部屋や、一つ下の部屋でさえ眺望や日当たりに微妙な差が出てきます。しかも、一つ上の部屋や下の部屋が今後売りに出る確率は非常に少ないのです。売ろうという人が多い今こそ一期一会を大切にして頂きたいのです。「ここに住みたい」と思うかどうか。それを大切にしてください。「いくらで買えるのか」などは二の次、三の次です。(因みに、私は自分の住まいを購入する時、値切った事ありません。値切って買えるような物件に住む事が嫌ですから。)需給が活発になるこの時期、良い出会いを探してみたら如何ですか。