山手線一周
2009年09月04日
9月に入り大分過ごしやすくなって参りました。この9月当社では「第二回山手線一周歩く会」を開催いたします。社内の有志で5〜6チームにチーム分けして山手線一周のコースを約9時間から10時間かけて歩くイベントです。会社の役職とは別に班長を決め、その班長の指揮の下本社のある新宿を午後8時頃出発し、いくつかのチェックポイントで写真を撮りながら山手線を一周しゴールの本社に戻ってくるのですがこれが結構面白いのです。目標は第一にチーム全員が完走ならぬ完歩すること、第二に早くゴールすることですが、半分を過ぎたあたりから体力がない社員やメタボの社員は歩く速度が違ってきます。また休憩を取りすぎるとかえって足に疲労がきてしまい歩けなくなります。いろいろな状況の中で班長が自分のチームを指揮し目標達成に導くところが実際の組織運営に似ています。疲れてくるとエゴが出てくるところもそっくりです。
このようなイベントをすると、どうしても新田次郎さんの小説「八甲田山 死の彷徨」を思い出します。明治35年、日露戦争に備えて冬の八甲田を縦断するルートを二つの隊が雪中行軍するのですが内一隊が指揮系統の乱れにより遭難し、ほとんど全滅をしてしまうと言う史実を基にした小説です。実際の史実では指揮系統の乱れから起きた人災というより予想もしない異常な天候による天災らしいのですが「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」といいますが、何とかその災害を防ぐ、あるいは被害を最小にする方法があったのではないかと考えることは決してマイナスにはなりませんからね。
つい先日北海道で起こった遭難事故でも感じたことですが、事故を起こしたツアー会社はおそらく今までにも遭難時の朝の状況で登山を強行して無事成功しているのでしょうね。何度も。そのうち最悪の事態を想定することをやめてしまったのではないでしょうか。それでも事故は起こらなかった。それで油断が油断を生み天候が急変したときの備えまで怠るようにもなった。そういういくつもの要素が積み重なって最後に大きな事故となって表に表れた、と。小さいミスを小さいミスのうちに潰していく事が大切だなあと、そんなこんなを考えながら当社の「勢いイベント」に参加したいと思います。
「第一回山手線一周歩く会」 ゴール後みんなで撮影