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プリンセススクゥエアー
代表取締役 出口博俊

成年後見人

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2015年04月25日

 私事ですが、父は今から8年前母と中国旅行中に脳梗塞を発症し左半身不随となりました。また梗塞範囲が広く、高次機能障害も起こしてしまい人間の持っている原始的な機能は失ってはいないのですが、人に対する思いやりというような感情や、計算、記憶等、社会生活を営む上での重大な障害を抱えることになりました。おそらく日本にいるときに発症していたら今も普通の生活を送っていると思うのですが、仕方ありません。運が悪かったのでしょう。また、旅先で父が倒れたショックのせいかそれまでも軽い認知症であった母の病状が一気に悪化しました。元々両親は奈良県にある実家に住んでいたのですが父が入院したため、しばらく母を大阪に住んでいる妹夫婦に預かってもらったのですが、夜中に徘徊を始めるようになりました。母に24時間対応してもらう家政婦を付けるなど、色々な方法を試したのですがどれも上手く行かず、また父の退院も近づいてくることから、妹の家の近くの介護付き老人ホームに父母ともに入所させることにしました。その為の手続きのためにも父の財産を動かさねばならず、家庭裁判所に父を被成年後見人、私が成年後見人となる後見申し立てをしました。一定の審査があり後見開始となったのですが、これが結構面倒なのです。成年後見人の不正防止のせいなのでしょうが一定程度のお金を出費する場合は裁判所の許可が必要です。具体的には父の老人ホームの入居一時金の費用は認めるが、母の費用には難色を示すのです。常識的に考えても父の財産は夫婦共同財産なのだから母の財産でもあるのです。それを父には出せて、母には出せないというのはいくらなんでもおかしいでしょう。でも担当の書記官が「父の介護などがしっかりできたうえでの母の介護費用は認めますが・・・」等という意味不明の説明をされ、結局母の入所一時金は私が出しました。その後も、一年に一回成年後見人としての財産の管理の報告をしなければならず出費に関しては徹底的に詰められ本当に大変でした。「何で親の財産を裁判所にとやかく言われなければならないの?」と何度も思いましたが息子の務めとして後見をしてきました。
 そうしたら先日、家庭裁判所から通知があり、父の財産は今後裁判所が選任した専門職後見人に管理させたいとのことです。その場合、弁護士か司法書士がなる専門職後見人に管理をしてもらう費用を月々支払わなければならないとのこと。8年間一度も不正などしていないにも拘らず、なぜそんなことになるのか納得できません。
その理由を裁判所に聞いたところ親族の成年後見人の不正が非常に多いという事らしいのです。最初は、何か悲しくなりましたね。親の財産、子供が管理できずに、なぜ赤の他人にしかも有料で任せなければならないのか。
 しかし、よくよく考えてみるとそれも時代の流れなのでしょうね。これからこの成年後見人制度を使う人は加速度的に増えていくでしょう。その際、家庭裁判所でその後見人の不正のチェックをしていくとしたら手が回らなくなるのは目に見えています。専門職後見人というフィルターを通すことで不正を減らしていくしか手がないのでしょう。
 しかし、そもそもなぜ不正が横行するのでしょうか?子は親孝行するのが当たり前のはずです。その子が親の財産を、ましてや成年後見人の立場でありながら使ってしまうなど、100年前の日本人が聞いたら腰を抜かすでしょうね。これが戦後教育の結果だとしたら悲しい限りです。我々は、先祖に胸を張れる世の中にしなければなりません。

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