社長の仕事
2015年03月13日
大塚家具のお家騒動がマスコミに取り沙汰されています。私は当初この父娘の確執は出来レースであり、大塚家具の宣伝のためにやっているのではないかと思っていました。事実、この問題がマスコミにクローズアップされた当初は集客が取れたのではないかと思います。会員制で専属のインテリアコーディネーターが付きっきりで家具のアドバイスをしてくれるのが良いのか、もっと気軽に店舗には入れるほうが良いのか、議論が分かれるところです。この話題を経営方針の対立と見せかけて再度集客を取ろうという営業戦略なんじゃないのかと少し興味をもってその推移を見ていましたが・・・・どんどん対立を深める方向になっていき株主提案で、現経営陣の配当を来年度は今年度の2倍にする案、これに対応して前経営陣の大株主の配当を同じく3倍にする案が出てきますと、これはガチンコ対決だったのかと驚いてしまいます。
「社長は、いったいどこを向いて仕事をしなければならないのか。」今回の騒動でどちらの父娘とも、この意識が抜けている気がするのです。社長、経営者は従業員にやりがいを感じる会社にし、また会社が継続的に利益を上げることで株主、その他の会社のステークホルダーに貢献していくことが仕事です。その為に必要な選択を見つけ、それを実行していくことです。しかし実行したからと言ってすぐに答えが出るわけではありません。社長が交代し、会社の方針が変更になるのであればその方針を社員に説明し理解させ実行し、それが実りとなるのに最低一年以上はかかります。今回の騒動のように社長が半年の間に2回も変わるような状況で、会社の業績が良くなるはずがありません。そんなことは社長経験者であればわかりそうなものです。どんな事情であれ社長が交代したのであれば株主は、二年は黙って業績の推移を見るものです。ましてや、全国に店舗を構え相当数の社員を抱えている状況でそれでなくても社員に会社の方針が伝わりにくい大企業で社長が頻繁に変わるなど言語道断です。また、現経営陣が経営計画を発表して、赤字でありながら配当を2倍にするということを発表しました。一体どこを見て仕事をしているのでしょうか。会社が赤字に陥っているときに配当を倍増させる会社など今まで聞いたことありません。経営陣は株主還元の一環だと言いますが、そんな言い訳は成り立ちません。なら、なぜこのタイミングで株主還元の話が出てくるのですか。赤字になる前に何時でもできたはずではないですか。配当性向をあげるというならまだしも、配当金を増額するなど会社の利益に反する行為と言わざるを得ません。それを今のタイミングで発表するということは株主総会での過半数の賛成票を取得するための委任状争奪戦の手段と断定できますよね。これが公開されている企業での出来事というのですからお粗末な限りです。
社員が可哀想です。