「隣の芝生は青く見える」は悪魔の囁き
2014年12月22日
「隣の芝生は青く見える」人生を生きていく中でこの現象を経験しなかった人はいないのではないでしょうか。誰もが経験していることなのですが、この現象が人生の節目に出るととんでもない不幸に見舞われることになるのです。
先日、弊社グループ主催のクリスマスパーティーを行いました。このパーティーは毎年恒例になっていて弊社グループのステークホルダーの皆様を招待し、1年間お世話になったお礼のために開催するものです。目玉は3つ、1つはチャリティーオークション、2つ目はプロのパフォーマンス、3つ目が我々グループ社員のパフォーマンスです。初めの2つは説明を省略します。3つ目の社員のパフォーマンスなのですが、これがとにかく熱いのです。例年グループ社員を数チームに分け、それぞれのリーダーがパフォーマンスするものを決めて練習をし、本番で披露します。審査はゲストの皆様にしてもらい優勝チームを決めるという企画です。ところが今年は少し違います。いつもですと、9月頃チームが決まり約3カ月の練習を経て本番となるのですが、今回は4月といつもより半年も早くチーム分け、パフォーマンスが決まり練習期間もたっぷり取ってゲストの皆様に感動してもらおうとした企画でした。チームの分け方は20代チーム、アラ30代チーム、アラ40代チーム、アラ50代チームと年代別に4チームに分けました。手前みそと言われるかもしれませんが、結果としてはどのチームも感動を与えるいいパフォーマンスだったと思います。しかし企画を進めるうちに社員から出てきたことが「隣の芝生は青く見える」現象なのです。「歳のいったチームはお金を出して練習をしている、お金のない俺たちが勝てるわけがない」とか「権力を使って自分たちに有利な演技順になっている」とか。年寄りチーム(?)が逆立ちしても手に入らない、若いチーム(?)が持っている最大の武器「若さ」。これには気付かないのです。本当に不思議な現象でしょ。「隣の芝生は青く見える」現象は。普通気づくだろうことが気付かないのです。ただただ人の芝生しか見ないのです。これは高々余興です。が、それでさえそういう意見が出てくるのです。
これが人生の色々な場面で出てきたら大変です。自分たちの与えられた環境より人の環境のほうがよく見える、これは正に悪魔の囁きです。この囁きを聞き入れるとすぐ出てくる考えは不平不満です。俺はなんて恵まれてないのだろう、なんで私だけ貧乏くじを引かなければダメなのだろう、という気持ちになります。そんな気持ちで行動していて周りから評価されるわけありません。より不平不満が増えてきて、すべてを投げ出したり隣の芝生に飛び込んだりするのです。私はこの30年間、社会で生活をしてきた中で色々な人を見てきましたが、人生の選択でこの「隣の芝生は青く見える」現象で転職をしたり独立をしたりした人間で成功をした人を見たことがありません。
皆さん、自分の心の中で「隣の芝生は青く見える」が芽生えたらそれは正に悪魔があなたを不幸に引きずり込もうとしていると考えて決して耳を貸さないでください。絶対に不幸になりますよ。この現象が出てくる環境としては、自分が壁にぶつかっている、自分の心が驕慢になっている時に現れます。気を付けてください。「隣の芝は青く見える」の反対は「今あることに感謝」です。この気持ちを大本に持って行動してこそ幸福の切符を手に入れられるのです。
人生にはいろいろな役回りが回ってきます。時には損な役回りが回ってきたり、檜舞台ではなく縁の下の力持ちに徹しなければならない時もあります。しかし、どんな役回りが回ってきても腐らず、焦らず、与えられた環境に感謝し今できることを精一杯やっていれば必ず運は開けます。
今年も残り少なくなりました。今年も私の与太話にお付き合いくださりありがとうございます。皆様、良いお年をお過ごしください。