マンション購入は出口から
2014年03月08日
最近のテレビを見ていますと「健康」を取り扱った番組が数多く放送されています。日本が高齢化社会を迎えてきた一つの証拠なのかもしれません。しかし、この「健康」番組当たり前のことを言っていたのでは注目されなくなってきたのか極端な発言をする専門家、医者が増えてきたような気がします。「糖質制限は絶対に必要」という医師がいればその反対に「糖質制限は危険」という医師が現れたり、「水分を十分取ることは必要」と言っている番組があれば「取り過ぎは危険」という番組があったりして、いったいどっちが正しいのかと聞きたくなることがしばしば起こります。まあ、結論から言うとそれは必要なんだけど極端になり過ぎたらよくないという事なんでしょう。しかし、テレビ番組というのは視聴率が気になるせいか、一つのたいしたことのない事柄をセンセーショナルに煽り立てることで注目を勝ち取ろうとしている場面に遭遇すると、私は視聴者をバカにしているような気になって不愉快になります。
我々の業界にも番組製作会社から取材依頼が来たりしますが「訳あり物件特集」や「大解剖、マンション購入と賃貸とどちらが得か」等というタイトルを聞くと協力する気が失せてしまいます。とにかく極端なんです。40歳男性の4人家族をモデルケースにして今銀行借り入れをしてマンションを購入し30年支払い続けたケースと、賃貸で借り続けたケースでどちらが得かをシュミレーションするなんてそれこそナンセンスです。
人の人生は常に波風が一切立たず平穏であることなどほとんどないでしょう。夫婦問題、子供や親を含めた家庭問題、転職や予期せぬ退職、健康問題等、数え上げればきりがありません。我々はその波乱万丈な人生を歩いているのです。そしてその主役は我々自身なのです。シュミレーションされた人生を生きていくロボットではありません。にもかかわらず現状の延長線に人生を置き、シュミレーションして得か損かを考えることに何の意味があるか私には理解できないのです。
私は仕事柄、不動産を通して色々な人たちに人生の一ページを見てきました。人生のステップアップのために買い替える人や買い増しをする人、もう一回人生を出直すために不動産を手放す人、一度失敗した事業をリベンジし購入する人、購入を検討しながら理想が高く逡巡しているうちに病になった人、色々な人たちと出会ってきました。購入が賃借に比べて得か損か、人間が生身である以上前もって答えがわかるはずがありません。唯、言えることは、明日何が起こるかわからないのが人生だけれども、人生の色々な出来事をポジティブに捉え、自ら乗り越えていくという自負がなければ人生はつまらないのではないか思うのです。何よりも、銀行からの借財をして不動産のオーナーとなることで、自らの人生の動機づけになる部分が一番大きいのではないでしょうか。
それでもリスクを気にする方に、万が一のことを考えて、売ることを前提にマンション探しをすることをお勧めします。自分が住みたいマンションと買い手の付きやすいマンションは必ずしもイコールではありません。じゃあ、買い手の付きやすいマンションはどんなマンションか?これを即座に答えられる営業マンからマンションを購入すべきです。