経営責任
2014年02月20日
リソー教育が過去に粉飾決算を行っていた件が公表されました。過去5年間で80億円というのですからこれは大変な金額です。贈与税が改正されて祖父母から孫に教育資金の贈与が一定金額認められた際、株価が急騰し当時600円だった株価が倍となったことを思い出します。しかし、思惑で上がったとはいえ一般の投資家を欺き決算を粉飾し、多額の損失を出した罪は社長交代だけでは済まされないでしょう。しかしその予兆はあったのです。
私の娘はリソー教育傘下のトーマスに通っています。現在の教育事情を考えると少子化のせいもあるのでしょう、私の幼少期と比べ、とにかく塾代が高いです。失われた20年等とデフレに陥った日本経済の中で全くその影響を受けなかった業界なのでしょうか。個別指導とはいえとにかく高額の授業料がかかります。そんなこともあり、また祖父母からの教育資金の子・孫への贈与が認められることになった際、私は学習塾業界の株価に注目していました。そして、一昨年の年末、トーマスよりおかしな提案が来ました。授業料を前払いにしてくれないかというのです。詳細は覚えていませんが、前払いすることでいくらかのディスカウントがあったと思います。会社の決算期が2月末という事を調べ決算対策なのかなと考えたのですが、上場企業が決算対策で年度末に授業料の前払いを奨励することに違和感を覚えました。どんな経理処理をしているのか?漠然とした不安があり、株の購入を見合わせました。その不安は悪い方に出ました。
想像するにどこかの決算で売り上げが落ち込んだ際に売り上げの計上を前倒しにしたことが原因ではないかと思うのですが、経営側の「売上至上主義」が現場の社員の売り上げの架空計上に繋がっているはずです。経営者がどこを見ているかにより会社の走る方向が決まります。とにかく経営陣の「売り上げを上げろ」!!の大合唱の中では社員もその方向に向いてしまうのです。決して社員の暴走ではありません。最悪なのは、その架空売り上げ計上を知っておきながら去年、増資をしているのです。一般の投資家を欺き多大な損失を与えておきながら完全な単に社長交代で、会長が社長に返り咲きで幕引き等、納得できません。
経営はたて糸です。物事の筋道を決めるのが経営者です。何が大切で、何が根っこなのかこれをはっきり決め幹部がそれを理解し社員に伝え全社員がそのたて糸に横糸を紡ぐ作業が企業活動です。利益ももちろん大切です。しかし、利益を上げ続けて社会に貢献することが使命である以上、近視眼的に今さえよければそれで良い、張子の虎の会社経営をしている企業は社員も、それを取り巻くステークホルダーをも不幸にしてしまいます。
次世代の社会人の教育に携わるのですからしっかり反省してもらいたいですね。
浅田真央ちゃん頑張れ。結果はともかく、スケート人生最後の舞を見せてもらいます。